日本初の婦人科サロン「ワンドマユ」では、「子宮筋腫にはお菓子を食べない方がいいって聞きますけど、砂糖がダメってことですか？」「なんで子宮筋腫に砂糖がダメなんですか？」と砂糖についてよく聞かれます。
砂糖は、子宮筋腫にはもちろん悪影響ですが、あらゆる不調の原因になるので、控えられるといいですよ。
目次
白くて甘い砂糖の真実
砂糖には様々なものがありますが、その中でも最も避けるべきは精製された白砂糖です。白い悪魔といわれる白砂糖は、私たちに以下のような悪影響を及ぼします。
- 依存性が高い
- 免疫機能を低下させる
- 肥満や高血圧症、心臓病、糖尿病などの疾患の要因となる
- 血管を傷つける
- 精神面への悪影響がある
- 老化が早まる
精製された白砂糖は依存性が高い
アメリカのプリンストン大学では、数年間にわたりラットを使った砂糖依存症の研究を行い、2008年12月に、砂糖の依存性を証明した研究結果が発表されました。
それによると、空腹時に砂糖を多量摂取するラットの脳内では、コカイン・モルヒネ・ニコチンなど依存性のある麻薬物質による変化と似た変化が起こったということです。
空腹状態のラットが砂糖を摂取すると、脳内にドーパミンが放出され、このドーパミンによる快感が動機となり、砂糖が何度も欲しくなり依存が生じるのです。
ラットだけでなく、人間も同じことが起こっています。「甘い物は食べ始めると止まらない」という経験をした事がある人は多いのではないでしょうか。これは上記の依存性と共に、血糖値の急上昇が関係しています。
精製された白い砂糖の吸収は早く、口にするとあっという間に血糖値が急上昇します。そうすると、即座にインスリンが分泌され血糖値が下げられますが、このとき血糖値が下がりすぎてしまうと低血糖状態に陥ってしまいます。
脳は糖を主な栄養素としているため危険を感じ、今度は糖分を摂取するように私たちに指令を出すのです。
これによりまた甘いものが食べたくなります。甘いものを食べだすと止まらないのは、私たちの意思が弱いからではなく、このような体の中でのホルモンの働きによるものなのです。
この血糖値の変化は「血糖値のジェットコースター」ともいわれ、これを繰り返すとインスリンの分泌異常や低血糖症、過食、ホルモンバランスをみだすなどの要因にもなるので、子宮筋腫にとっても危険です。
白砂糖は免疫力を低下させる
白砂糖を摂取すると体の様々な機能が低下します。特に免疫機能は著しく低下すると指摘されています。
私たちの体には本来抵抗力・自然治癒力が備わっています。この抵抗力の根本にあるのが白血球であり、白血球には喰菌（しょっきん）作用と免疫作用というおおまかな２つの働きがあります。白砂糖はこの２つに良くない影響を与えます。
喰菌作用とは、マクロファージと呼ばれる白血球が、体内に進入した細菌やウイルスを素早くキャッチして食べてくれる作用です。白砂糖の過剰摂取によりこの喰菌作用が低下することがわかってきました。
また免疫作用の側面からみても、リンパ球の抗体を作る働きはマクロファージと密接に相関していることからも、白砂糖は私たちの免疫力を低下させると言えるでしょう。白砂糖のとり過ぎは、それだけ様々な病気にかかりやすくなると言えるし、病気になってしまった後の回復力にも影響します。
実際に缶コーヒーを1本（含まれる砂糖は小さじ6杯分）を飲むと、飲用後5時間にわたって体のナチュラルキラー細胞（リンパ球の1つで、特にガン細胞拒絶に重要な役割を果たす細胞）の異物処理能力は25%低下するという報告があります。
ちなみに同量のフルーツを食べても、「糖」の性質が違うためこのようなことはおきません。
肥満や高血圧症、心臓病、糖尿病などの疾患の要因となる
砂糖は、脂質よりも中性脂肪にかわりやすい性質を持っています。そのため脂肪細胞にも溜め込まれやすく、さらには様々な疾患の要因ともなります。
例えば、砂糖を大量に摂取すると、急速に血圧が上がります。これは、砂糖が血液中の塩化カリウムの濃度を濃くするためです。砂糖自体にはカリウムは含まれませんが、他のミネラル分を溶かしてしまう作用があります。そのため、相対的にカリウム濃度を濃くすることになります。
血液中のカリウム濃度が上がると、血管が膨張して内径が狭くなります。そのため、血液が通りにくくなることで余計な圧力がかかることになり、血圧が上昇するのです。
それにより循環器系（心臓病など）を起こしやすくなったり、血糖値が上がることで体にインスリンを大量に分泌させることになり、インスリンの抵抗性が強くなり、高血糖状態が多くなると、膵臓が疲弊しインスリンそのものが分泌されなくなり、糖尿病を発症することになります。
白砂糖は血管を傷つける
砂糖を過剰に摂取すると、高血糖の状態になります。
高血糖は分かりやすく言うと血液がドロドロとした状態であり、これにより血管が傷つきます。この血管ダメージはタバコを４本吸った影響に相当するとも言われてます。
精神面への悪影響
近年精神的な病やうつ病の増加が問題視されていますが、その要因としてストレスと合わせて白砂糖の影響が指摘されています。イギリスのジョン・ワトキンス博士は、「この世から白砂糖をなくしたら精神病はすべてなくなる」と断言しているほど！
これは、白砂糖がホルモン分泌に影響を与えるためです。
先ほど、白砂糖を摂取すると血糖値の急上昇と急降下が起こると言いましたが、血糖値を下げるホルモンとしてインスリンが、血糖値を上げるホルモンとしてアドレナリンが放出されます。
アドレナリンは神経伝達物質の一つで、興奮すると大量に放出されるホルモンですが、アドレナリンが出すぎると、思考力が減退し、集中力がなくなったり、短気でキレやすくなったりします。
このように精神的に不安定な状態になる上に、血糖値が安定しないと、私たちが幸福感を感じて安心して毎日を過ごすためのホルモンであるセロトニンが安定して分泌されません。セロトニンが分泌されないと、睡眠に必要なホルモンであるメラトニンも分泌されなくなり、睡眠不足により精神的に不安定な状態が加速します。
こうなると、同じ内分泌系として女性ホルモンのバランスも崩れやすくなるので、子宮筋腫などに悪影響です。
美味しいスイーツは老化を早めているだけ
白砂糖が老化を早める原因については、糖化現象と呼ばれるものが最近注目を集めています。
糖化とはメイラード反応ともいわれますが、たんぱく質や脂肪などが糖と反応して変性する反応で、食事で取り込まれた糖のうち、エネルギー源として代謝できなかった糖が、体内にあるたんぱく質と結びつき、糖化たんぱく質（AGE、または終末糖化産物）が生成されて、体内に蓄積する現象のことです。
この反応は、女性が大好きなパンケーキをイメージすると分かりやすいでしょう。小麦粉（糖質）や砂糖と卵や牛乳などのたんぱく質が合わさり熱を加えることで、こんがりと茶色くこげていきますね。
私たちの体でも同じ事が起こっています。糖化はいわば細胞がこげるような強いダメージを体に与えることで、強い毒性を持つAGEを作り出します。それが体内に蓄積することで細胞がさらにダメージを受け、老化を進める原因となるのです。
見た目だけの問題ではなく、体が老化すれば抵抗力や回復力も低下するので、子宮筋腫を改善しようと頑張っても、なかなか結果が出ないということになります。
もし、足ツボや食事など頑張っているのに何も変化がないということであれば、体が必要以上に老化してしまっている可能性もあります。
今は食べていないけど、以前は白砂糖たっぷりのスイーツをたくさん食べていませんでしたか？
でも砂糖（甘味）は必要！どんな砂糖を選べばいい？
白砂糖は高度に精製された食品なので、食物繊維やビタミン、ミネラルといった栄養素を含みません。栄養素が全くなく、ただカロリーだけの存在とも言えるでしょう。
ただこれだけ様々な影響を知っても、甘味を全く摂取しない食生活というのは現実的ではありませんよね。ではどのような砂糖を選んだらよのでしょうか。
体に優しい甘味料としては下記のようなものがあります。
甘味料
- はちみつ
- メープルシロップ（１００％ピュアなもの）
- メープルシュガー
- ココナッツシュガー
- 米飴などの穀物飴（精製されて透明のものはダメ）
- 未精製てんさい糖
- 黒糖（黒砂糖）
- 甘酒
- 羅漢果
- ヤーコンシロップ・・・など
甘味料として使用できるもの
- ドライフルーツ（余計な加工をしていないもの）
- 果物を煮詰めた砂糖不使用のジャム類
- バナナなどの甘味の強いフルーツ・・・など
体に優しい食事法であるマクロビオティックやローフードでは積極的に取り入られている甘味料です。
このような甘味料は血糖値の上昇が緩やかで体に負担がかからず、ビタミンやミネラルなども含むため代謝に必要な栄養素も備えています。
でも、だからと言って、たくさん使ってもいいということではありません！いずれも糖分は高いので、血糖値の上昇が穏やかと言えども、上昇はします。
また、精製された砂糖は既製の食品や加工食品、飲料など実に多くの食品中に大量に含まれているので、食品表示をよく見て、過剰摂取しないように注意してくださいね。
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