「持続可能(な世界を目指す)」という意味を持つ「サステナブル」という言葉は、現在非常に多くのところで使われています。そしてこの概念は、ファッションの世界にまで及んでいます。
今回は「サステナブルファッション」という言葉を取り上げ、その意味を解説していきます。
サステナブルファッション、その言葉の意味
サステナブルファッションとは、「洋服などの制作・流通を行うときに、自然環境などに配慮する取り組み」のことをいいます。
私たちが当たり前のように着ている服は、実にさまざまな素材から作り上げられています。
たとえば、「裏地にはポリエステルが使われていて、表地にはコットンが使われていて、前面には金属製のファスナーと、プラスチックで作られたボタンが配されている」などのケースが考えられます。
環境負荷は、これらの素材が作られる段階でもかかりえます。たとえばコットンを育てるときには化学肥料は使われたり、大量の水が使われたりします。ポリエステルを作るときには石油が使われますし、制作過程において多くのCO2も排出されます。
また、日本では服の価格がずっと右肩下がりになっているうえに服の供給量は右肩上がりになっているというデータもあります。
これは消費者としてはありがたいことではあるのですが、同時に、「1年間に1回も着ない服」「上記のように、多くの環境負荷を生み出す洋服が、大量に作られている」という事実をも生み出しました。
このような状況に警鐘を鳴らし、ファッションの分野において自然環境などに配慮する取り組みを行おうとして生まれたのが、「サステナブルファッション」という概念です。
「買ってはいけない」ではない!ただ、少しだけ見直してみて
上のような状況を見ると、真面目で誠実な人ほど、「買う洋服の数を減らさなければ」と思ってしまうことでしょう。
たしかに「1年間に1度も着ない服」を減らすために買う服を減らすのも1つの方法ですが、「服を処分するときの方法」を適切に選ぶだけでもサステナブルファッションの考えを実践することができます。
いらなくなった洋服は、
1.古着として売る
2.きれいなものならば、人に譲ったり寄付したりする
3.資源回収に出す
4.店舗や地域の回収に出す
という4つの方法のいずれかを選ぶようにしましょう。特に1と2はおすすめです。
1と2の方法ならば洋服はまた違う人の元で活躍できるからです。また、3や4の場合も、海外に輸出されたり、再資源化が期待できたりします。
「もう着なくなったから」とゴミ箱に洋服を捨てるのではなく、古着として売ったり、資源回収に出したりするようにしましょう。このような取り組みは、だれでもできる「サステナブルファッション」へのアクションなのです。
出典:環境省「SUSTAINABLE FASHION」