「今、ここ」「今の、この瞬間」だけを意識する「マインドフルネス」の考え方は、現在多くの企業やメデキアで取り上げられています。
「今この瞬間だけを意識して、そしてそれに対しての善悪・評価は下さない」とするマインドフルネスは、さまざまな医療機関でも取り上げられてきました。
今回は改めて、「マインドフルネスのメリット」について解説していきます。
マインドフルネスは集中力を向上させる効果がある
「瞑想」同様、もともとは宗教(仏教)の考え方を起源に持つマインドフルネスには、日々の生活をうまくコントロールし、ストレスの少ない状態にしていくヒントがつまっています。
「今、ここ」だけを意識することで、漠然と物事をとらえることはなくなります。
常に目の前のもの、目の前の行動を意識することになりますから、集中力が大きく向上するのです。そして、このようにして「向上した集中力」は、記憶力を良くし、冷静な判断を行うためにも役立ちます。
マインドフルネスの考え方を持つことによって、物事に集中して向き合うことができるようになり、トラブルが起きたときでもベストの選択肢を選びやすくなるのです。
ストレスの軽減にも役立てられる
マインドフルネスは、「今の、この瞬間」だけを意識するものです。そして、「意識はするものの、現在の状況をジャッジしない」という特徴を持っています。
つまり、マインドフルネスを実践し続ければ、「過去に起きた、今さら変えることのできないこと」に悩まされることがなくなりますし、「未来に起きるかもしれない、今からでは予測不可能なこと」に悩まされることもなくなります。
また、たとえ「今」娯楽を楽しんでいたとしても、「現在の状況をジャッジしない」という特性を持った考え方であるため、「娯楽を楽しんでいる、遊んでいる。もっと有意義なことをしなければならない気がするのに……」という罪悪感を抱くこともなくなります。
ストレスには、明確な原因があるものと、そうではないものがあります。「明確な原因」によって生じるストレスは、ひょっとしたらマインドフルネスの実践だけで完全に解消することは難しいかもしれません。
しかし、「過去の後悔」「未来への不安」「現在の罪悪感」から来るストレスは、マインドフルネスを実践することで大幅に軽減されることでしょう。
なお、マインドフルネスはしばしば「瞑想」と結び付けられます。たしかに、マインドフルネスを実践するうえで瞑想という選択肢は頼りにはなります。瞑想によって外界を一時的に遮断すれば、「今の自分」も意識しやすくなるでしょう。「瞑想をしなければ、マインドフルネスの考えを実践できない」というわけではありません。
上でも述べたように、マインドフルネスは「今、この時」を意識する方法です。たとえ瞑想を行っていなかったとしても、慣れてくれば本人が意識するだけで、マインドフルネスの状態にいたることは可能です。