「グルテンフリー」という言葉を知り、このような生活を送りたいと考えた人に知っておいてほしいことがあります。
インターネットを調べていると、「グルテンは悪者」「グルテンを食べていると体の調子が悪くなる」「すべての不調は、グルテンフリーの生活にすれば治る」という文面に触れることもあるでしょう。
しかしグルテンフリーの生活は「万能薬」ではありません。また、グルテンを食べていることがさまざまな体調不良を引き起こす直接的な原因となることもありません(※セリアック病など、特定の疾患を持つ人を除く)。
加えて、グルテンフリーの生活を送ることで不足しがちな栄養分が出てくることも把握しておかなければなりません。
ここではあえて、「グルテンフリーの生活を送る際の注意点」について解説していきます。
小麦には数多くの栄養素が含まれている
小麦には、ビタミンB1やビタミンB2、ビタミンEなどのビタミン類が含まれています。含まれている量は決して多くはないものの、これらは人間の体を健康に保つために非常に重要なものです。また、鉄分やカリウムなども含まれています。
また、小麦の表皮には食物繊維がよく含まれています。小麦の表皮は特に「小麦ブラン」と呼ばれますが、ここには、食物繊維や亜鉛、マグネシウムなどがよく入っています。これらは、日本人がとりにくい栄養であるため、非常に重要です。
小麦粉を使った料理を食べる場合は、この「小麦ブラン」の含まれたものを選ぶとよいでしょう。
ちなみに小麦ブランは、「ふすま」とも呼ばれています。
グルテンフリーの生活をするなら糖質も取る
「グルテンフリーの生活」と「糖質制限の生活」は、イコールではありません。グルテンフリーの生活はあくまで「小麦粉をとらない生活」であって、「糖質そのものを制限する生活」ではないからです。そのため、グルテンフリーの生活をしていても、お米は食べても構いません。
むしろ、グルテンフリーの生活を送るのであれば、小麦に代わるなんらかの糖質をとるべきです。
糖質制限では「糖質を摂取すること」が推奨されています。ただ、これも程度問題です。
糖質をまったくとらない生活はたしかにダイエットには効果的ですが、脳がうまく働かなくなって注意力が散漫になるなどのデメリットもあります。
糖質は、脳を動かすことのできる唯一の燃料だからです。
「1日に最低どれくらいの糖質をとるべきか」は専門家によって見解が異なります。ただ、かなり厳しい糖質制限であると考えても、「70グラム」がひとつの目安と言われています。
だいたい5枚切りの食パンを1日に2枚とるイメージです(※ただしおかずにも糖質は含まれます)。
グルテンフリーの生活は、「糖質ゼロを目指す生活」ではありません。なんらかの別の方法で糖質をとり、脳にきちんと栄養を送れるような正しいやり方でやっていきましょう。