マインドフルネスとは、「今この瞬間」へ意識を向ける瞑想法です。
今回は、マインドフルネスの起源・歴史と現状をお伝えします。
マインドフルネスの起源
マインドフルネスの起源は、3000年以上も前にさかのぼります。
マインドフルネスは、仏教文化の瞑想に由来し、東洋の各地で行われています。
仏教経典にある「サティ」という言葉を意味します。
サティは、ある物事を心に留めておくことを意味し、気づき、記憶、念などと表現されます。
またサティの英語訳が、マインドフルネスと言われています。
マインドフルネスと聞くと、西洋文化のように聞こえますが、実は3000年以上も昔から東洋では行われている実践なのです。
仏教との繋がりの深い日本でも、マインドフルネスの概念は1500年以上も前から存在しています。
マインドフルネスの現状
現代のマインドフルネスの起源は、アメリカのマサチューセッツ大学医学部が開発した「マインドフルネスストレス低減法(Mindfulness-based Stress Reduction、 MBSR)」と言われています。
このMBSRはストレス低減の効果が実証され、その後もうつ病の予防やストレス療法に応用されています。
マインドフルネスは、もともと仏教の教えが起源ですが、MBSRはニュートラルな立場で万人にうけるマインドフルネスの一種です。
現代ではうつ病や過度のストレスなどの精神疾患の増加に伴い、マインドフルネスの効果や東洋思想の価値観に注目が集まっています。
現代の物質世界で満たされない心、内なる自己世界の探求とともに、外へ向いていた意識が自己の内側へ戻ってきています。
心の豊かさを養うマインドフルネスが求められることにも納得できます。
現代のマインドフルネスは、ビジネスの世界より広まりました。
アメリカのGoogle本社では、マインドフルネス・トレーニングが企画され、企業研修でマインドフルネスが取り組まれています。
また、AppleのiPhoneのヘルスアプリ(健康管理のアプリ)に、「マインドフルネス」という項目があるほどマインドフルネスは一般に浸透しています。
日本には1990年代頃からマインドフルネスはありましたが、2010年以降に普及し始めたと言われています。
日本でも、ビジネスパーソン向けのセルフマネジメントの一環としてヨガや瞑想と共にマインドフルネスが取り入れられました。
その後、一般にも知られるようになり、認知度も上がっています。
ストレスや労働時間が長い現代の社会で、マインドフルネスの普及は必然なのでしょう。
自殺率や精神疾患の増加から、マインドフルネスの必要性が見てとれます。
コロナ禍でのマインドフルネス
2020年春より日本でコロナウイルスの感染が拡大しました。
今まで経験したことのない世界規模のパンデミックとその収束の見通しの立たない不確実性や不安定さが世界中の社会を覆っています。
また、2020年より「風の時代」に入り文明の転換期になり、様々な大きな変化が起こっています。
先の見えない不安に押しつぶされそうになります。
コロナ禍で、本当に大切なことや挑戦したいこと、自分のことを考えるようになった方も多いのではないでしょうか?
実はこの自分自身の内側も見つめることが、マインドフルネスの始まりなのです。
あなたは、すでにマインドフルネスをしています。
マインドフルネスとは、決して難しいものではありません。
私たちが、生を全うすることそのものです。
将来はいつでも不確実で、予測不可能です。
しかし不確実性や不安な気持ちを気にするより、今この瞬間を大切にして意識を向けてみましょう。
わたしたちを取り巻く環境を変えることはできませんが、私たち自身がどのようにアプローチするのかは変えることができます。
自分の反応の仕方を変えるだけで生きやすくなります。
マインドフルネスの復興は、必然なのかもしれません。