女性のためのテクノロジー「フェムテック」を知る
「フェムテック」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
これは近年非常に注目を浴びている概念であり、多くの企業・人がこれの導入に取り組んでいます。
今回はこの「フェムテック」を取り上げて、まずは「フェムテックとは何か」について解説していきます。
フェムテックとは、女性特有の問題に対してアプローチするテクノロジーのこと
フェムテックとは、「女性特有の問題に対して、効果的にアプローチしていけるテクノロジーまたその製品や商品、サービスそのもの」を指す言葉です。なお、フェムテックという言葉は、”FemTech”と書きます。これは、「女性」を表す”Female”と、「科学技術」を表す”technology”を合わせた造語です。
このフェムテックという言葉は、2012年に誕生しました。誕生の地はドイツですが、言葉の生みの親はデンマーク人です。今では決して珍しいものではなくなった月経管理アプリの開発者が、この言葉も生み出したと考えられています。
この言葉は2020年代になると急激に広がっていきました。初めはドイツで生まれた言葉でしたが、インターネットの波に乗って日本にもやってきて、日本でも広く知られるようになったと考えられています。
なお日本でも2020年ごろから注目され始めたと考えられています。現在では「SDGs」の考え方が広く知れ渡っていますが、このなかにある「ジェンダー平等」の思想がフェムテックによく合致したのがその理由とも推測されています。
フェムテックって具体的にはどんなもの?
それでは、フェムテックとは具体的にどのようなものを指すのでしょうか。
これに関してはまた来週に詳しいことをお話しますが、たとえば、上で挙げた「月経管理アプリ」がその最たるものです。そのほか、妊娠において重要な役割を果たす卵巣の年齢をチェックするキットや、オンライン診療によってピルを得られるサービスなどがこの「フェムテック」に分類されています。
ただ、「フェムテック」という言葉は「ここからここまで」「この枠組みから外れたものは、フェムテックとはいえない」などのように厳密に定められているものではありません。
一般的にみて、「女性特有の悩みに対してアプローチできるテクノロジー」で作られた商品やサービスなど全般が、この「フェムテック」にあたるという程度の考え方で問題ないでしょう。
女性の社会進出が進んだこと、そして技術が進歩して私たちの生活のなかにまで当たり前に科学技術が浸透しきったことは、女性特有の病気や生理・妊娠・出産にもテクノロジーの技術が及ぶ「現在」をつくり上げました。
今後もフェムテックの考え方や商品・サービスはどんどん拡大していくことと思われます。それによって、女性はより便利に、より手軽に、自分の体と向き合えるようになっていけるだろうと期待されています。