「女性特有の悩みに対して、IT技術などを利用してアプローチしていこう」とするフェムテックの考え方は、若い人ほど高い関心を持って注視しているといわれています。
今回はこの「フェムテック」について、年齢別・世代別に取り上げて、「この年代層の人は、フェムテックの領域でどのような部分に対して関心を抱いているのか」について解説していきます。
年代別に異なる「関心のあるフェムテックの領域」について
月間MD4月号(2022年)の「フェミニンケア特集」において、フェムテックに対する女性の関心についてのアンケートがまとめられました。これは、20代~60代の女性2631人を調査対象とした比較的大規模なものです。1月の23日~1月の25日と、短い期間ながら、多くの人から回答が寄せられたこのデータを元に、世代別のフェムテックに対する関心分野について解説していきます。
このデータでは、30代までの女性がもっとも関心のあるところは、「PMSの解消法」であるとわかりました。2位には「月経中の悩みの解消法」、そして3位には「生理を管理するためのアプリ」がランクインしています。
40代になると、1位は「更年期障害を解決するためのフェムケア・フェムテックに関心がある」と答えた層が1位となり、2位に「PMSの解消法」、そして3位に「月経中の悩みの解消法」が入ります。
50代になると様相は大きく異なります。1位は「更年期障害を解決するためのフェムケア・フェムテックに関心がある」で、2位には「尿洩れ」と40代までのときには5位にも入っていなかったカテゴリーが入ってきます。「PMSの解決法」も3位に入っていますが、30代までのそれと比べて、得票割合は3分の1程度になっています。
出典:MD NEXT「7割以上の女性が生理前から生理中に不調を感じる 第35回【女性2,631人調査】フェムテック・フェムケアに43.7%が関心あり!」
どの世代にとってもフェムテックは必要なものだが、様相は異なる
上記から、「女性特有の悩み」といってもその内容は世代によって大きく変わることがわかります。30代までの女性の場合は生理関係の悩みが中心となりますが、40代になるとこれにプラスして更年期障害の話が入ってきます。そして50代以降になれば、更年期障害の話がメインになってきます。閉経の年齢はおおよそ50歳前後といわれていますから、このような数字の変化もまた、閉経に伴うものだといえるでしょう。
ただ、どのような年代であっても、その年代に対応する「女性特有の悩み」があることはたしかです。そのため、生理や出産などが終わった後でも、女性はフェムテックに無関心でいられないといえます。逆にいえば、自分が何歳になっても、その悩みを解消するためにフェムテックを上手く利用していくことが望ましいといえるでしょう。