「ミニマルな生活を送りたい」「ミニマリストとして生きていきたい」と考える人は、決して少なくはありません。物に対する執着心を手放し、シンプルで無駄のない生活を送るということは、とても快適なものだからです。
ただ、ミニマルな生活・ミニマリストとして生きるためには、知っておいてほしい注意点もあります。
それについて見ていきましょう。
「持たないことのリスク」はきちんと知っておきたい
「ミニマリスト・ミニマルな生活のデメリット」のところでも紹介しましたが、ミニマルな生活の大きなデメリットとして「不測の事態に対応しにくい」という点が挙げられます。
子どもの工作用品がなかったり、雨続きでバスタオルが不足したり……といった小さな問題点はもちろん、災害時の備えに不足があるなどのように、生命の危険に直結するような問題も起きがちです。
ミニマルな生活・ミニマリストとして生きている人のなかには、「捨てること自体が快感になっている」「『持たない生活』自体が快感になっている」という人もみられます。このような場合は特に、災害時の備えに難が出やすいでしょう。
ミニマルな生活・ミニマリストとして生きるためには、「自分に必要な物以外は処分する」という考えと同時に、「自分に必要な物はきちんと過不足なく用意する」という視点も重要なのです。
ミニマルな生活を人に押し付けてはいけない
ミニマルな生活は、「家全体」に及びます。リビングにはテーブルとイスくらいしか置きたくないと考える人も多くいるでしょうし、クローゼットの中身も「服が数枚しかない状態」にしておきたいと考える人も多くいるでしょう。
一人暮らしの場合はこのような空間を作ることは非常に易しく、また維持することも簡単です。
しかし、「家族持ち」「家庭がある」という状況になると、また話は変わってきます。
人にはそれぞれ、指針となる生き方があります。この「指針となる生き方」は個々人によって違いますし、同じ家で暮らす家族であってももちろん異なります。
あなたがミニマルな生活を送りたいと考えたとしても、家族は「物がある生活」の方が落ち着くと考えるかもしれません。また、もっと積極的に、「自分の趣味の物をコレクションしたい」と考えているかもしれません。
このようなときに、自分のライフスタイルである「ミニマルな生活」を相手に押し付けることは決して好ましいことではありません。家庭はもっとも小さな「社会」であり、「社会」である以上話し合いをして妥協点を見出していかなければならないのです。
自分の目指すライフスタイルを丁寧に相手に話すとともに、相手の意見を聞く姿勢も持つ必要があるでしょう。また、当然のことながら、家族の物を勝手に捨てるようなことがあってはなりません。
ミニマルな生活を送りたいのであれば、リスクヘッジを考えることは非常に重要です。また、家族との意思のすり合わせを行うことも忘れてはなりません。