短期的なダイエットに極めて有用な「ファスティング」は、現在非常に多くの人が取り組んでいるものです。
ただ、「食べ物を取らない」というこのファスティングは、有効性と同時に危険性を持つものでもあります。
ここではファスティングを行うときの注意点について解説していきます。
ファスティングを行う際は「いざというとき」のことを考えて
ファスティングを行うときには、いつでも食べられる場所にチョコレートや飴玉を置いておく方がよいでしょう。
ファスティングをしていると、食べ物から取る糖が不足してしまいます。そのため、低血糖状態になる可能性があるからです。
低血糖状態は非常に危険なもので、場合によっては意識障害やけいれんさえも招いてしまうものです。このため、「いつでも糖を取れる状態」にしておかなければなりません。
また、すでに「糖尿病であるため、医師から血糖値をコントロールする薬を出してもらっている」という人は、ファスティングを行ってはいけません。
ファスティングに取り組む際は、意識して水分をとるようにしましょう。食べ物から摂取する水分がない状態に陥りますから、「飲む」というかたちで水分をとりいれることが重要です。
「どれくらいのものを飲んでもいいか」はファスティングのやり方によって異なりますが、味噌汁や野菜ジュースなどを置いておくと心強いでしょう。水分をとることで、空腹感を紛らわせることもできます。
激しい運動は禁物、睡眠もしっかりとって
ファスティングを行っているときに「軽い運動」をすることは、非常に有用です。運動をすることで空腹感もまぎれますし、体も軽くなるでしょう。
ただ、激しい運動を行うことは避けなければなりません。食べ物を摂取していない状態で激しい運動をしてしまうと、めまいやふらつきが起きる可能性があります。場合によっては大きなけがに繋がりかねません。
ファスティング時の運動は、軽い体操やウォーキング、エアロバイク程度に留めるようにしてください。
睡眠も意識してしっかりとりましょう。ファスティングを行っている人で、かつまだファスティングに慣れていない人の場合、「空腹感で眠れない……」という状況に陥るかもしれません。しかししっかり眠っている間は空腹感を覚えませんし、疲れもよくとれます。「眠ること」は、人間の心身の疲労回復においてもっとも重要な手段です。
なお、夜に眠れなくなってしまうことを考えて、ファスティングは休日に行うようにしてください。休日ならば、「夜に眠れなくて、昼間に眠くなってしまった」という状態でも、自由に休むことができます。
ファスティングは、多くの人にとって非常に有用なものです。しかしファスティングを滞りなく進めて行くためには、このような「注意点」も知っておかなければなりません。このような注意点を踏まえたうえで、「安全なファスティング」に取り組んでいきましょう。