「『グルテンフリー』という言葉を聞いたことはあるけれど、どんなものなのかしっかりとは理解していない」という人も多いのではないでしょうか。
ここではこの「グルテンフリー」を取り上げ、ざっくりとその概要について解説していきます。
グルテンフリーの考え方は、もともとは「治療法」として生まれた
「グルテンフリー」とは、グルテンを含む食品を取らないこと、またその生活を指す言葉です。
なお「グルテン」とは、小麦粉に水を加えることで発生する成分のことをいいます。
グルテンフリーの考え方は、実はもともとは1つの病気の治療法として誕生しました。
その病気の名前は、「セリアック病」です。健康な人ならば消化できるグルテンに対して過剰に反応する病気であり、小腸などが炎症に見舞われる病気をいいます。
このセリアック病に罹った人を痛みや苦しみから救うべく、「グルテンフリー」という考え方が生まれたのです。現在も、セリアック病を患っている人に対しては、グルテンを除いた食事の摂取が求められます。
ただこのようにして生まれたグルテンフリーという選択肢は、やがて「その生活が自分にも合っているのではないか?」と考える人に広まっていきました。
たとえば、テニス選手であるノバク・ジョコビッチ選手もこのグルテンフリーという選択肢を取っています。
グルテンを含む食材は、非常にカロリーが高いものです。そのため、グルテンフリーの生活を行うことで、ダイエットを進めやすくなるというメリットがあります。
また、グルテンを含む食材は、脂肪分や糖分とも非常に相性が良く、よく結び付けられます。チョコレートケーキやスナック菓子などが、その代表例です。脂肪分や糖分もまたカロリーの高い栄養分ですから、グルテンフリーの生活を送ることで、これらの栄養分からも距離を取ることができます。
グルテンフリーと糖質制限は、似て非なるもの
グルテンフリーと似た言葉として、「糖質制限」があります。
この2つは、「小麦粉(から作られる食品)を摂取しない」という共通点があります。
ただ、この2つは似て非なるものです。
グルテンフリーの場合は、あくまで「グルテンを含む食材を取り入れないライフスタイル」を指します。
対して糖質制限の場合は、「グルテンだけでなく、米やイモ類などの炭水化物(糖質)も取り入れない生活」を指します。
このため、糖質制限の方がグルテンフリーよりも制限が多いのです。
言い換えるならば、「糖質制限をするのは少し厳しいけれど、効率の良いダイエットを進めて行きたい」と考える人にとっては、グルテンフリーは非常に相性の良い選択肢だといえるでしょう。
「治療法」から生まれたグルテンフリーという考え方は、今や病気の人以外にも受け入れられる選択肢となりました。
自分の体と向き合い、よりスピーディーにダイエットを進めて行きたい人は、グルテンフリーの生活を視野に入れてみてはいかがでしょうか。