「瞑想」と聞くと、多くの人が「宗教的なもの」を思い浮かべることでしょう。
実際、たしかに瞑想は、もともとは宗教的な修行から端を発しているものです。ヒンドゥー教や仏教などの修行に取り込まれてきたものであり、今でもこのようなかたちでの「瞑想」を行っている人も当然います。
ただ、現在の「瞑想」は、このような宗教的な儀式にとどまらないものになっています。
医学的な面から瞑想をとらえるようになってきており、またそれに不随して「医学的な面からみる瞑想のメリット」についても言及されるようになってきました。
ここでは、「現在の」瞑想のメリットを追います。
瞑想に取り組んだことによって成績がアップしたという研究結果がある
瞑想の効果を検証する研究において、「子どもの成績がアップした」という結果が得られています。
これは、カナダのブリティッシュ・コロンビアの学校の9歳前後の子ども99人を母集団として行われた研究で、「瞑想(この研究の場合は、1日に3分×3回×4か月)を行った生徒は、そうではない生徒に比べて、算数の成績が15パーセント良かった」という結果が出たのです。
またこの研究の結果では、「単純に成績アップしただけでなく、他者に対する攻撃性が24パーセントも低くなり、社会的な行動も取りやすくなった」とされています。
つまり瞑想をすることによって、成績アップはもちろん、他者に対する親切心や感情を上手にコントロールしてバランスをとっていきやすくなるという結論が得られたのです。
出典:新R25「医学博士が語る「瞑想」の驚くべき効果。オススメのやり方や時間についても教えてもらった」
瞑想でストレスも軽減できる
人間は生きていくうえで、多くのストレスを抱えることになります。
このストレスをも、瞑想は軽減してくれると考えられています。瞑想することでリラックスでき、心が落ち着き、抱えているストレスを手放すことができるようになるのです。
これは、ストレスを受けたときに出るコレチゾールという成分が減少し、「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンがよく分泌されるようになることによるとされています。
もちろん、「瞑想を行えば、まったく勉強をしていなくても学校や職場で1位の成績をとれる」「非常に強いストレスを受けても、瞑想を行いさえすればそのストレスがすべて消えうせる」などのようなことはありません。瞑想は、「魔法」ではないからです。
ただ1日にわずか10分程度、1回につき5分以下でできる「瞑想」が、なにがしかのメリットをもたらしてくれる(あるいはその可能性がある)という事実を踏まえれば、これに取り組んでみたくなる人も多いのではないでしょうか。
現在の瞑想は、厳しい修行もハードなやり方も必要ありません。日常のなかに少し取り入れるだけです。ぜひ気軽に取り組んでみてくださいね。