フェムテックとは、テクノロジーを駆使して女性特有の悩みに寄り添うサービスや商品のことを指します。
しかし、女性向けの商品・サービスがあるのであれば、当然(生物学上の)男性に向けた商品・サービスもあるはずです。
ここでは、フェムテックの影に隠れがちな「メンテック」について取り上げ、その特徴や考え方について解説していきます。
メンテック、テクノロジーを用いて男性の悩みを解決
「メンテック」とは、フェムテックと同じように、「テクノロジーを利用した商品・サービスであり、性別独自の悩みに寄り添うもの」をいいます。フェムテックが女性をターゲットとしているのに対して、メンテックは男性をターゲットとしています。
メンテックの代表例としては、
・勃起不全(ED)に向き合うもの
・男性の不妊および男性の避妊にアプローチするもの
・薄毛に対抗するもの
などが挙げられます。「薄毛の悩み」は男女ともに起きるものですが、男性ホルモンの分泌量が多い男性の方がよりこれに悩まされやすいと考えられています。
また、不妊の原因のうちの約半数が男性にあるといわれている現在においては、「男性の不妊」にアプローチできるメンテックは非常に重要だといえます。
ちなみに、世界の不妊治療に関係する市場規模は2021年現在で15億ドルですが、2026年には22億ドルにまで成長するとされています。このようなことからも、「男性の性の悩み」が非常に深刻なものであり、またそれに対するアプローチが効果的であることが分かります。
出典:はらメディカルクリニック「不妊症の原因について|不妊症の定義、男女別の原因を詳しく解説」
フェムテックとメンテックは対立しあうものではない
「性の悩みにアプローチするためのサービス」というと、私たちはついつい「女性の苦しさを理解し、それを解消するためのもの」を思い浮かべてしまいがちです。
これももちろん間違いではありませんが、このような「性の悩み」を抱く人は、女性に限りません。男性のなかにも自らの性について悩み、それを解決していきたいと考えている人が多くいます。